予防のために大切なこと

バーンアウトの対策は、介護業界全体での喫緊の課題です。介護職とバーンアウトに関する研究では、バーンアウトを防ぎつつ持続的に就労できる環境づくりのためには、職場環境の整備が必要であるとの認識が示されています。介護現場における職場環境の管理体制の課題として、「個別性に配慮したメンタルケア」、「ストレスを感じる仕事の要因についての改善」、「円滑なコミュニケーション・よりよい人間関係の構築ができる環境づくり」に取り組むことがバーンアウトの予防に効果的であると言われています。

男性よりも女性の方がバーンアウトの傾向が高いという研究結果もあり、女性に対するきめ細やかなサポートが必要です。また男性は女性と比べて、職場内で相談できる相手がいることが重要であることもわかっています。性差に限らないが介護職員それぞれの特性にあったサポートがバーンアウトの予防には重要です。

介護現場でストレスを感じる要因についての調査研究によると、労働条件や業務量と質にかかわる指摘が多く、要員の見直しが求められるとともに、十分な所得を保障した上でのやりがいの提供が必要です。また、職場におけるよりよい人間関係は、職場の空気もよくなりチームワークも醸成され、バーンアウトを抑止する職場環境を築くことができます。職場の人間関係とバーンアウトとの関係についての研究論文では、よい雰囲気の職場ではコミュニケーションがとりやすく、その結果、仕事に関しての情報共有や指導、サポートをよりしやすい・受けやすい環境をつくることができたため、それがバーンアウトの予防につながるという報告があります。